

この味覚障害は、なぜ発生してしまうのでしょうか。今回は、そのあたりについて解説していきますね。
味覚とは?味覚がおかしくなる原因
子どもはそもそも、赤ちゃんの頃からかなり敏感な味覚を有しています。ちょっとした酸味や苦味も感じ取ることができる能力が、赤ちゃんのときから備わっているわけです。
これは毒や腐敗から身体を守ろうとする、いわば防衛機能として本来人間に備わっているものです。しかし、味覚障害によってそういった味の機微を感じることができなくなると、防衛機能も働かなくなることになってしまいます。
以前、NHKで見ましたが「約3割」の子供が、味覚を正しく認識できないということでした。「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」のうち、特に酸味を認識できない子どもが多くいるとのことです。
子どもの味覚障害が増えている理由

なぜ、最近の子どもたちの間で、味覚障害が増加しているのでしょうか。味を感じ取る器官は舌です。なかでも、舌の上の「味蕾(みらい)」という場所が味覚の中枢です。
この「味蕾」は、生まれてから20代まで増え続けます。そして20代を超えると、段々と減少していくというふうに言われています。高齢者に味覚障害の方が多いのは、そのためです。
では、味覚障害が起こる原因についてみていきましょう。味覚障害が起きる原因の1つに亜鉛不足があります。他にも、薬の副作用であったり、ドライマウスやストレス、辛い食べ物などの刺激物が原因となっていることもあります。
ただ、最近では「人工甘味料をたくさん使ったお菓子」が増えています。こういったお菓子を慢性的に食べていることが原因だと指摘する声も多く挙がっています。
特にお菓子は、非常に濃い味付けになっていることが多く、こういった濃い味の物に慣れていると、徐々に味覚が鈍くなってくると主張されています。
又、濃い物を食べていると、飲み物が欲しくなります。そのとき、子どもは水よりもジュースを好みます。特に甘い物です。
こういった甘いジュースには、人工甘味料が多く使われています。たとえば、アスパルテームやエリスリトール、アセスルファムKなどがその代表です。
こういった人工甘味料の強い甘味は、中毒性があると指摘されています。脳にある快楽中枢を刺激することがその理由です。
依存性があるので、人工甘味料がふんだんに使われたジュースを、毎日飲みたくなります。強い甘味に舌が慣れてしまうことも、味覚障害の一因となりえます。
味覚障害を予防する方法
1.亜鉛が不足しないようにする
味覚障害の原因の1として、亜鉛不足があると述べました。味覚の中枢が味蕾にあることも前述しましたが、この味蕾が増えるためには、亜鉛が必要になってきます。亜鉛を必要量摂取することで、味蕾の増加を助けて、味覚障害を予防することができます。
2.シンプルな味付けの物を味わって食べる
シンプルな味付けの物を食べるようにすると、味覚を鍛えることができます。あまりゴテゴテとした濃い味の物ばかり食べていると味覚が鈍っていきますので、シンプルな味付けの物を味わって食べるようにします。
たとえば、ただの白いご飯もしっかり味わって食べていると、甘味が口の中に広がるのを感じ取ることができるでしょう。
白いご飯を口に入れたら、ソースたっぷりのとんかつを口に放り込む、というのでは味覚が散漫になってしまうわけです。お豆腐や納豆など、素材の味をじっくり噛み締めていくことによって、味覚が研ぎ澄まされていきます。
3.良く噛んで唾液を分泌させる
味覚障害の子で多いのが「ドライマウス」です。唾液が少ないと、味を感じ取りにくくなります。
唾液をたくさん分泌させるためには、日頃から良く噛んで食べるようにするということが必要です。今の子どもは、あまり噛まないで食べることが多くなっています。これは、昔よりも柔らかい食べ物が多くなったせいだと言われています。
工夫としては、なるべく硬い食べ物を食卓に並べるようにすることです。硬い物をそのまま飲むことは躊躇しますから、嫌でもしっかりと自分で噛んで柔らかくしてから食べるようになります。
