
英語教育を考えるにあたっては、9歳が1つのターニングポイントになるといわれています。できれば、9歳を迎える前に英語学習は始めたほうが良い、ということが頻繁にいわれるようになっています。
9歳までに英語に触れさせたほうが良い理由
脳の観点
なぜ、9歳を迎える前に英語の勉強を始めたほうが良いのでしょうか。その理由としては、脳が関係しています。
9歳までは一般に、左脳より右脳のほうが積極的に使われています。しかし、9歳を過ぎると、左脳のほうが機能するようになります。左脳は、右脳に比べて論理的な思考に使われ、右脳は、感情的な要素で働きます。
たとえば、英語学習にあたって、大人はなんでこうなるんだろう?さっき教えてもらったことをふまえると、話が違ってやしないか?などと論理的に考えるあまり、いちいち足踏みしてしまう傾向があります。
しかし、誰しも日本語を習得する際にそうであったように、言語学習にあたって論理的な要素はそれほど重要ではありません。
感覚的に理解していって、実践を積むことのほうが大事です。9歳までの子どもは、右脳のほうが働くために、より感覚的に言語学習ができます。英語についても、いちいち、なんでこうなるんだ?という疑問を抱かずに、スムーズに教えられた内容を受け入れることが可能です。
耳の観点
また、9歳までの子どもはより高い周波数の音を明確に聞き取ることができます。日本語に比べて、英語は周波数が高くなる傾向にあります。
日本語に慣れてしまうことは、つまり低い周波数に慣れてしまうことでもあり、英語を理解しづらい耳にしてしまいます。しかし、9歳までの子どもは高い周波数を聞き取る素養に恵まれているため、ストレスなくすんなり英語の発音が耳に入ってきます。
このような理由から、英語学習は9歳までに始めたほうが、何かとハードルが低くなるといえます。
9歳までの英語学習の方法

9歳までに英語学習をするのが効果的だと分かっていても「どうしたら良いのか分からない」という親御さんは多いはずです。近所に英語教室がなかったり、あったとしても、お金に余裕がなくて通わせることができないということもあるでしょう。
そういった場合には、英語に慣れる環境を作るだけでも効果があります。特に最近では、テレビでも英語の教育番組があります。ラジオでもありますし、CDやDVDをレンタルすることでも英語に親しむことは可能です。
たとえば、洋画も日本語吹き替えではなくて、字幕版にして英語を聞かせるようにするのも良いでしょう。たいてい、ディズニーのアニメ映画などは字幕版もあります。アナと雪の女王などを英語で見せることによって、自然と英語で歌を口ずさむようにもなります。
無理やり英語教室に通わせるよりも、こうやって日常のなかに英語を紛れ込ませるほうが、子どもに英語に対する抵抗を感じさせなくて済みます。コストを抑えて英語に慣れさせることはできるので、ぜひ工夫して実践してみましょう。
大人と同じように、英単語帳や文法の参考書を子どもに買い与えて勉強させようとしても、多くの場合は上手くいきません。それよりも、英語を楽しいものとして、いかに巧みに生活のなかに紛れ込ませるか、といったことのほうが大事です。
英語を無理に勉強させようとすると、逆に遠ざけてしまうようになります。
2020年より、小学校でも3年生から英語が導入される予定です。そのときに、無用な抵抗を感じさせるような英語学習をさせてしまっては、全く意味がありません。そうはならないように、あくまで英語を楽しめるような環境づくりを、特に9歳までに行っていくようにするのがおすすめです。
この記事を書いた人
ロサンゼルス生まれ京都育ちの32歳。アメリカ人の父と日本人の母を持ち、現在英語学習の講師をしています。英語が出来ると、お子さんの将来の幅が大きく広がります。幼少期から英語に慣れていける環境を作ってあげることが、一番の近道になります。